恋人と別れようと考えていた時のこと

恋人と別れるかもしれなくて、この一週間はすごくしんどかった。というより、別れた方が良いんだろうなって思って苦しくて仕方なかった。
すごく許せないことがあって、それを伝えた上でした約束を、破られたから別れようと思った。それで悩んでた。
悔しいけど、自分の人生になくちゃならない人なんだって知っちゃって、結局色々考えて我慢せずに伝えた。
大好きなんだよね。
惚れたものの負けです。これは仕方のないことです。でも我慢したら続かないよね。
そんなことで悶々としてた今朝、恋人が寝起きに「好き。織江ちゃんと離れられない」って言ってくれて、単純に、嬉しかった。
私は死ぬほど彼のことが好きで、彼が私のことを好いてくれてるんだってことが嬉しくて、「シンプルにね、好きだから一緒にいるってことを軸に肉付けして、これからどうすればいいか考えれば良いと思うの」って言った。
私はね、自分に自信がなくて、迷ってばっかりで、上手くいかない恋愛をいっぱいしてきたんだけど、自分が好きな人に好きなだけ尽くしたり愛情を伝えられるってそれだけで特別な環境だと改めて思ったりして。
尽くすのがどうとか、女は愛された方が良いとか余計なお世話で、私はそんなことを言う女より、惚れた相手をとことん愛せるんだって、それが自信になるんだよって少し思ってる。
人の意見より自分の感情だと私は思ってる。人の意見を無視して失敗したことも数知れないんだけど、自分の意思を無視して後悔したことはないんだよね。
自分のために生きるって、自分の声を聞くことだと思うから、自分のために生きて。それは私ね、素敵な恋愛に繋がると思うんだよね

<DAY4,5,6>バルセロナ酒場紀行

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なぁ、飯の話をしよう。
ポルトガルの古き良き街からバルセロナに飛んで、まず驚いたのはsex shopや24時間営業の店が煌々と主張していたことだ。それと同時に少しガッカリしてしまった。ほらだって、東京みたい。東京は世界で一番好きだけど、こちらにだって旅情ってものがあるじゃないか。
だからこの街では散策というよりも食べ歩きをメインにした。だって都会には美味いものが揃っている。

だから飯の話をしよう。

 

【セルセベリア・カタラナ】
バルセロナで有名なバルの名を調べると大抵ここの名があがる。バル初体験にはうってつけだとこの店を選んだ。入店して驚いたのが、カウンター席の周りを腹を空かせた客がハイエナのように今か今かとうろういていることだ。
テーブル席は名前を伝えた順番に案内されるが、カウンター席は空いたところを自分で見付け、早い者勝ちでありつくシステムなのだと近くにいた男性に教えてもらった。

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スペイン語でメニューも読めず「初めてなので宜しければご一緒して下さい」と頼むと「喜んで」と返してくれた。名前はイドだと言う。
20分ほど待った頃、目を付けていた客が捌け、着席し、何から頼んでいいか考えあぐねたので目の前にあったアンチョビの2種のピンチョスを頼んだ。

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アンチョビのフィレとチーズ・パプリカを載せたもの、キャベツ・玉ねぎの千切りにアンチョビと恐らくマヨネーズを和えたもの。
先の方は想像通りの味だったが、後者は素朴でありながら完成度の高いピンチョスだった。白身魚に載せたり、粒マスタードなんかと一緒に付け合わせとして真似るのも良さそうだ。

 

続いて頼んだのは獅子唐とワカサギのフリット。獅子唐の唐揚げはスペインの至るバルで食べることが出来るが、こういった組み合わせは酒呑みには嬉しい。赤提灯の酒場でも歓迎されそうなメニューだ。

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あぁ、追加のワインが欲しい。そろそろ赤が欲しい。オーダーを伝えようとする。が、忙しいのかなかなか通らない。イドさんから指南が入る。この店は日本で言う鮨屋と似たところがあって、大きな声で呼ぶのではなく必要な時にあちらを見つめればその内、目が合う。その時に頼むのだと言う。

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ゴーダ・カマンベール・ゴルゴンゾーラの蕩けた3種のチーズの上にトリュフオイルがかかっている。

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レアの牛ヒレ肉をカリカリのトーストと分厚いフォアグラで挟み込んだ何とも都会っぽいおツマミ。パテを作ったことのある人なら分かると思うが、あれは生クリームが入っていれば入っているほどなめらかで美味い。とんでもないカロリーになるが、なんせカロリーは美味しい。フォアグラも脂の塊だが、牛肉の赤身と合わせて食べると程良い塩梅だった。この贅沢なピンチョスで〆てイドさんとはお別れした。日本に来たら鮨屋を案内しよう。

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サンキュー Iddo!

 

【ESTERRI】

まだ飲み足りなかったのでハシゴ酒をした。
妙に日本人慣れした店長で「へいらっしゃい!まいど!」と迎え入れてくれた。日本人留学生がよく訪れるらしい。暫くすると「ベッキー知ってるか」と聞かれる。知ってるとだけ答えた。どうやら彼女が昔TVでオススメしたようだ。
とりあえずのワインをグラスで頼むと「いーっぱい飲んで下さい」注がれる。「いーっぱい入れて下さい」と返したらそれ以上絡まれなかった。

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店長手作りの黒いソーセージを頼む。張りは無いが、皮にナイフを立てて裂くと柔らかな中身が顔を出す。妙にクセになる味だった。何が入ってるんだと聞くと豚の挽肉と血だけだと言う。それだけでこんな味になるものかと酔った頭で考えたが、たぶんプロは手の内を明かさない。赤ワインが進んだ。
美味かったので持ち帰りに少し包んで貰った。翌朝の舌でも美味しく感じたので、酔っていても確かなことは分かるのだなと思った。

かなり酔いが回っていたので店名も失念していたが、写真を撮った場所から遡って割り出すことが出来た。今時の携帯は本当に優秀だ。

 

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翌日起きたのはお昼近くで、珍しく何の予定も入れていなかった。暇だからサグラダファミリアにでも行こう。平日だからもしかしたら空いてるかも知れないと考えた私がバカだった。チケットを買うだけで長蛇の列だ。気を取り直して10分ほど歩き、遅めのランチにすることにした。

 

【Embat】

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ネットで調べたところ予約必須の人気店で、しかし悲しいかな予約は電話のみと書かれていたので賭けで向かった。バケーションシーズンを外していたからかすんなり入ることが出来たが、入店直後満席になっていた。やはり人気の店なのだろう。

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アーティチョークのスープを初めにオーダーした。イベリコ豚の生ハムとウズラの卵、サワークリームが器に盛ってあり、卓上で熱々のアーティチョークスープをとろりと注ぐ。スプーンですくっても底の見えない濃厚なスープに生ハムの塩気を加えて味わうと何とも複雑な味がして美味しい。

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続いてメインに選んだのは蛸のリゾット。しっとりと柔らかな蛸が蛸墨とトマトのライスに埋もれてよく調和していた。ただ、同じ海鮮を調理した飯という括りなら個人的には深川飯に軍配が上がる。蒸篭で蒸されたふっくら柔らかな米と浅利から出汁が香り、笑ってしまうくらい美味しいから。
比べるのは酷だが、先日のポルトガルでのランチが同じくらいのボリュームで€2.5だったから10倍近く値段が違った。

 

この日は筋肉痛もあり市内の観光バスに2時間近く揺られることにした。バルセロナの主要観光施設を外の風を受けながら眺めるのは実に気持ちが良かった。

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【デ・タパ・マドレ】

ここもバルセロナでは日本人に人気の店だ。スペイン内陸部サラマンカ地方の料理を専門とする。若干お高めで観光地価格だが、旅先で必ず美味いものが食べれるならその保障額としては安い。

嬉しいことにハモンセラーノを10g単位で量り売りしてくれる。おひとり様でも勿論楽しめる。 まずはこれで飲むのが良いだろう。

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バルセロナならどこでも食べることが出来るパンコントマテという料理がある。パンにニンニクとトマトをこすりつけ、オリーブオイルと塩を振りかけて作る。シンプルだがパンの厚みやトマトの量・焼き加減によって仕上がりが全然違う。味そのものというよりは食感で美味さが分かれるのだ。だからバルセロナに行ったらパンコントマテを食べ比べてみると面白いはずだ(ここだけの話、セルセベリア・カタラナのパンコントマテはいまいちだった)。デ・タパ・マドレのパンコントマテは端がカリカリで香ばしく、酸味もちょうど良く美味しかった。想像に容易いが生ハムと相性が良いから、これを頼まない手はない。

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余談だがパンコントマテには専用のトマトがあって、八百屋で吊らされた光景はカタルーニャ州の市場だけで見ることが出来るそうだ。ふつうのトマトと比べて水分が少ないのが特徴だという。

 

メインはトリッパを選んだ。これは本当に良かった。摩り下ろした玉葱といろんな部位の臓物、そしてソーセージが一緒くたにトロトロになっている。日本ではくし切りの玉葱や銀杏切りされた大根がスタンダードだから、新鮮だった。摩り下ろした玉葱はカレーや唐揚げで私もよく使うが、モツ煮でやるのには驚いた。こんな少しの違いなのに、何ともスパイシーで美味いのだ。あっさりのようでコクもある。これはデ・タパ・マドレに行ったら是非食べてみて欲しい。牛肉の石焼という鉄板メニューもあるが、ここは頑なにトリッパを勧めておく。

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千鳥足で見た カサ・ミラカサ・バトリョ

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私の腕が悪いせいでカサ・ミラの低層階が火事のように写ってしまった。

 

【コンセプシオ市場】

翌朝は寝覚めも良く、朝から飲もうと決めた。

バルセロナには50近くの市場があり、その大抵は朝8時に開く。市場の中には小さなバルが併設されていてひっきりなしに訪れる客の腹を満たしている。サン・ジョセップ市場やサンタ・カテリーナ市場が有名だが、観光地化されすぎていてあまり好みではない。だから126年の歴史がある庶民の台所、コンセプシオ市場へ向かった。

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数人に簡単な英語で話しかけてみたがスペイン語以外話せないと伝えられる。言葉が通じないなら酒を飲んで笑っていればいい。出来たての料理が次々並んでいく、このバルのカウンターに腰を落ち着けた。

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肉屋のおっちゃんと地元のおっちゃんが強いショットを飲ませてくれた。酒を飲めば皆陽気だ。

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 バルセロナで一番心に残ってる飯は何かと聞かれたら、私はこの市場で食べたオムレツだと答える。日本でもスペイン風オムレツを食べたことがあるが全くの別物だった。じゃがいも料理を実はあまり進んでは食べないが、せっかくスペインに来たのだからと頼み、ほくほくと湯気が立ってる内にペロリと平らげてしまった。ローストされた玉葱がじゃがいもと仲睦まじく夫婦のように合わさっている。すっかりガタイのいいコックに胃袋を掴まれてしまった。

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ハンバーグも粗々しくて食べ応えがあった。繊細さこそ無いが、強い酒を飲みながら笑い、素朴で美味い飯を食べるのは、満足度がすこぶる高い。

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昨日の無念(?)を晴らすべくサグラダファミリアへ。噂に違わず荘厳だった。

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 生誕のファザードから街を一望し、石で出来た長い長い螺旋階段を下った。

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 2026年の完成予定後にまた会えるかしら。

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結局、エンカンツの蚤の市、ピカソ美術館や百貨店を巡り、なんだかんだでバルセロナも満喫した。都会は消費に困らない。

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日が暮れる頃、初のモロッコへ旅立った。

あとで身にしみたことだが、イスラム圏へ発つ前に浴びるほど飲んだのは大正解だったのである。

<DAY7>青と幻想の街、シャウエンへ

11/6

フェズ 16:15発
シャウエン 21:00着

 

夕方に街を発ったバスは、10分後には田園風景と夕景の一部となりフェズが田舎町だということを教えてくれる。

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トイレ休憩を兼ねたバスの停留所の軒先には皮を剥がれた生の羊がぶら下がり、看板のような役割を果たしている。腹を空かせた乗客は屋台でシシカバブを注文し、愛想の良い男が慣れた手つきで赤い肉を無骨に捏ね、手際よく勘定を受け取る。肉を挟んだ鉄網からは肉汁が滴りもうもうと辺り一面を燻らす。石炭は松明のように燃え肉を焼き、いくつものテールライトを見送っていた。

 

4時間も走った頃シャウエンの街に辿り着くと相変わらずタクシーの客引きが続くが、それに加えてハシシはいらないかとしつこく勧めてくる。怒ったふりでonly taxiと唱え続ければ良い。

 

怖い街だと踏んでいたが宿に着いてそんなことはどうでも良くなった。

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なぜなら宿が本当に可愛かったから。

 

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宿に荷を置き予め決めていた店へ向かう。街への到着が遅く閉店間際だったから鶏肉とオリーブのタジンしか無かったのだが、ピンと尖がった骨からするすると身をほぐし、油のよくなじんだ鍋にパンを擦り付けて一緒に味わうとよく温まった。山の上で食べたオリーブはどれも辛くて好きにはなれなかったが、店員が注ぎ入れてくれた甘い紅茶で食事を締めくくると満たされてよく眠れそうな気がした。

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店を後にして23時過ぎにアフリカの市街地を歩いてるメスは猫と私くらいしかいなかった。私は知らない土地へ行くと宿へ向かう途中の商店に寄ると決めていて、大きな荷物を背負ったまま閉店の時間を尋ねる。特に何も買う必要は無い。遠く離れたアフリカの地で東洋人は特に目立つから、少し笑って話せば印象良く覚えて貰える。何かのタイミングで危ないと思ったらそこへ寄って立ち話でもすればいい。

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レストランの帰りはハシシ売りがいること以外は特に危険を感じなかったが、先の商店に行きエナジードリンクを買った。店先のドラム缶で親父が何かを炒っていた。「ガルバンゾだ、食べてみろ」と手渡されたので食べてみると香ばしい。いいアテが出来たと持ち帰った。

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何か請求されるかと訝しんだがそんなことは無かった。疑い過ぎは良くない。

シャワーを済ませレッドブルウォッカを作り、炒りたてのひよこ豆をぽりぽりと噛みながら土産を眺め、日本のことを思った。

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朝5時、お祈りの歌が暗闇の街に鳴り響き目が覚めた。アラビア語の低音が心地良い。

 

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日の出とともに青い世界に飛び込む。朝は早起きのムスリムの男と猫しかいないから静かな散歩を楽しめる。支配人はフロント不在だったので部屋の鍵だけ持って出た。モロッコの宿は治安上、常に鍵がかかっていて出入りの度に開けて貰わなければならない。だからまた朝飯の頃に戻ればいい。

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時間があったので新市街まで歩いて行った。こちらは青くはないが、登校前の子供達やニワトリの声で賑わい、傾斜の激しい分山々が美しく見えた。

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朝も8時頃になると女達も動き出す。ちょうど私が訪れた月曜はシャウエンの朝市の日だった。

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そろそろ朝ごはんに帰ろう。

 

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シャウエンでは山羊を放牧しているからミルクもチーズもバターもヨーグルトも山羊のもので、少しクセがあるのだが日本で食べてきたそれとは少し違った。特にヨーグルトは牛の乳から作られるものよりずっと深みがあって、あまりに美味しくお代わりをした。どこで買えるのかと聞いたら宿で手作りしているものだと言う。

ねっとりとした蜂蜜と小粒ながらに主張の強いドライフルーツもいいアクセントだった。

 

お腹も満たされて屋上へ登った。宿は満室なのに皆眠っているのか、風を受け止めているのは洗濯物と私だけだった。

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シャウエンを発つ前、長旅の疲れを取るために宿の高級ハマムを利用した。高級と言っても4千円弱ではあるが、庶民のそれが130円程度であるから充分な贅沢だ。ハマムとは低温サウナのような場所で垢を落としバケツに汲んだ水で汚れを流す。浴場に行くのは週に一度のことで、日本のような湯船は無い。それがモロッコの文化なのだという。
高級ハマムでは恰幅のいい女性が水着のような衣服に着替え、こちらはパンツ一丁で浴室へ向かう。言われるがまま暖かい石の台にうつ伏せに眠る。柔らかい粘土のような液剤での全身マッサージから始まり、垢すり、スクラブ、ヘッドマッサージと至れり尽くせりなのだ。そして全身くまなく、大きな女の柔らかな手に包まれて赤ん坊に戻ることが出来る。

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右のスライムのような茶色い方がボディーソープ。左の石灰のようなものがスクラブで水に溶かして使う。道端の商店で売っている。

 

シャウエンは、これといった観光名所のあるわけではないが、ただのんびりと街にいるだけで非現実的な世界を味わえる。

ついノックしたくなる青いドアを訪ねて旅に出るのもまたの楽しみに取っておこうと思う。

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<DAY3>ポルト一日観光

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11/2 9:10 スペイン マドリード
11/2 9:40 ポルトガル ポルト

 

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朝の6時半にマドリードの宿を後にし、その昔立ち乗りを検討していたというほど鬼畜と謳われる悪名高きライアンエアを利用した。この航空会社を使えば数百円からヨーロッパ圏内の移動が可能という夢のような話。事実私も1800円の航空券で今回ポルトへ飛んだ。

心配とは裏腹に呆気なくポルトガルの第二都市ポルトに上陸する。ここからはメトロE線に乗り、市内へ向かう。空港始発の一本線しかないので非常に分かりやすい。大抵の客がTrindade駅で降車するから€2.4の乗車券だけ買って付いていけばいい。

 

Trindade駅の近くに古びた飲食店がある。

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お腹も空いていたので直感的にこの店に入った。入り口では大量の鶏肉を炭で網焼きにし、浅草のどこかの酒場で見たような大きな鍋が鼻孔をくすぐり更に客を誘き寄せている。

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店員は8割が男性だった。この時、衛生検査員のような白衣の女性が早口のポルトガル語で喋りながらボードにチェックを入れ、店員は奥でその対応に追われていた。

オススメをくれ、肉は何だと聞くとチキンだと言う。あぁ、あの入口で焼いているやつか。じゃあそれをと頼む。

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出されたのは豚の煮込みだった。少し硬めの細長い米がよく煮込まれたゼラチン質の肉と野菜と豆の旨味を吸収して柔らかくなろうと頑張っている。キャベツはくたくたで人参は刺せば崩れそうなほど。味は優しく安心する。今年死んだ父親の手料理を少し思い出しながら食べた。父の得意料理はトマトと卵の炒め物で、これもすこぶる柔らかいのだ。トマトは熱湯で皮を剥き一口大に切り、ふわふわの卵と申し訳程度に固める。私はこれが大好きだった。舌触りの良い料理は安心する。

醤油味ではないのに何故褐色なのか今思えば何も考えないまま平らげてしまった。ブラジル料理でよく見かける豆、フェジョアーダもたっぷり入っていた。そういえば植民地だったなと思い出す。

勘定はたったの€2.5だった。あぁ旅に来たなぁ。

 

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宿まではチーズ屋や干し鱈の店が数店と、アズレージョの建築物もそこかしこに並んでいて歩いているだけで発見があった。

 

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宿で荷を下ろし、自転車を借り石畳の道をぐんぐん進む。坂道が多いが、ポルトは車の入らない小さな道が多いから移動に便利だった。そしてなんてったってスリに合わない。

 

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先ずはポルトガル最古というソアレス・ドス・レイス美術館へ。

この美術館、ポルトガル最古の美術館なのだがフラッシュを焚かなければ写真が撮り放題と太っ腹な上に、恐ろしい程ガラ空きで全然邪魔が入らない。

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前日に迷宮のようなプラド美術館で疲弊していた私はこのこじんまりとした美術館がすぐに好きになった。

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中世の街並みとアズレージョの美しい教会と石畳の上を走る路面電車と、過去と未来が上手く合わさって街全体で呼吸しているようだった。

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Bolhão駅のすぐそばにボリャオン市場という庶民の台所がある。

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今回の旅はその土地の食材で自炊をすることも楽しみのひとつだから、市場に行くのは一際ワクワクした。昼は肉料理だったから夜は魚貝類でパエリアにしようと思った。しかしポルトの名産品、鱈の塩漬けは一晩水に晒さなければ使えない。下手な英語で今夜鱈が食べたいのだけど生のものはある?と伝えると、生は無いがちょうど漬けたばかりの鱈があるからと出してきてくれた。これを熱湯で5分戻して使ってね、と言う。アサリとムール貝と海老も併せて買う。別れ際、お釣のコインに軽くキスして渡してくれた。頑張ってねって意味なんだろう。嬉しい気持ちで市場を後にした。

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17時過ぎに老舗マジェスティックカフェへ。ピアノの生演奏の時間を予め問い合わせて17:00〜18:30に行われることを知っていたから狙って向かった。

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支配人と思しきスーツの男性に入り口で当のメールを見せたら「これを書いたの僕だね」と少し笑いながら教えてくれた。ピアノから程近い席に案内してもらう。

例に違わずオススメを下さいと頼む。

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いちいち椅子まで可愛いからときめかざるを得ない。

ピアノの音色と内装に目を輝かせていたらキビキビと動く給仕がうっとりするくらいテキパキと皿を並べた。

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このフレンチトーストが絶品で今迄食べたフレンチトーストの中で一番美味かった。バターが香り味の染み込んだトーストの上に、黄身を溶かしたカスタードソースとドライフルーツ・ナッツが散らされている。甘いけれど全然くどくない。フォークで形どられたシナモンも良いアクセントだった。

 

幸福な気持ちのまま夜風に当たりたくて海辺に走った。ドン・ルイスⅠ世橋からの眺めは美しく、時折走る路面電車がぼんやりと眺めた時間の経過を知らせてくれる。

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夜景を楽しんだ後、世界一美しい書店とも言われるLELLOへ。閉店間際なこともあり人もまばらだった。ネオゴシック様式の内装とステンドグラスが眩しい。

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ガイドブックから大きい本屋を連想していたが実際はとても小さく、ふらりと立ち寄ることが出来る。

 

宿に戻ってポートワインを飲みながらのんびり料理。

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近くにいた若いルームメイト数人が興味を持ったのでパエリア(もどき)をお出しした。

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言われた通りに鱈はお湯で戻した。

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数分後には全て無くなったのだけれど、言葉を持たないパエリアおばさんは質問に上手く答えられず、逆に気を遣わせてしまうのでした。当たり前だけど言葉が使えないとコミュニケーションって難しいね。

 

時差ボケで疲れたのか夜はぐっすりと眠り朝は日の出前に目覚めた。数分後には自転車にまたがって青白む世界に出かけた。

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朝の街では人よりもカモメが幅をきかせている。

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ポルトではスイーツに特に良い思い出が出来た。生粋の辛党の私が言うんだからよっぽどだ。坂道に建つこのカフェがそう思う一助を担う。

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朝早くからポパイのようなマッチョのおっちゃんがお菓子を焼き、笑顔のチャーミングな優しい主人が店を切り盛りしている。カウンターでは学校へ行く前の子供がお菓子を頬張り、テーブルでは近所のおばちゃんが世間話に花を咲かせている。愛されている店だと一目で分かる。

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ショーウィンドウから直径7cm程のカステラのような見た目のお菓子を頼んだのだがこれが美味しくておかわりをした。このお菓子は「Queue ovo」だよと綴りを教えて貰ったのだが調べても直ぐには出てこない。カフェオレを頼んだらエスプレッソが出てきたが、これが正解だった。ポルトガルのお菓子は本当に甘いのだ。

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朝の焼き立ては8時頃なら種類も豊富になっていて楽しめるに違いない。会計時に焼きたてのミートパイをこっそりプレゼントしてくれた。

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焼き立てのパイ生地はサクサクで餡はしっかりとコクがあった。菓子だけじゃなくこういうものも美味いのか。既に会計を済ませていたから少し寒い空の下で頬張った温かいデニッシュが嬉しかった。

 

お腹も満たされて幸福だったから、昨晩よくしてもらった市場のおばちゃんに会いに行くことにした。パエリアの写真を見せてありがとうと伝えたら、写真を撮ったあと投げキッスで見送ってくれた。

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昨日は閉まっていたおばあちゃんの営む衣料品店が開いていて、彼女が編んだという毛糸の靴下がカゴに積まれていた。冷え性の恋人が朝まで仕事しているのが私は気になって仕方なかったから、サイズを一生懸命聞いて選んだ。ポルトのおばあちゃんの手編みの靴下がお土産だって言ったら恋人はどんな顔をするのかな。

 

9時の教会の鐘を聞いたらグレゴリスの塔へ登ると良い。狭い塔のてっぺんで誰にも邪魔されず街を一望出来るから。

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上空から眺めるポルトの街並みはどことなくフィレンツェに似ている。

 

昼前にはE線に飛び乗って空港へ戻り、再びスペインへ。

たった昨日のことなのに、この記事を今バルセロナの宿で懐かしく思いながら書いている。ポルトが好きだ。本当に好きな街に出会ってしまった。

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<DAY2>マドリード一日観光

 11月1日、3時間前にブログを書き終えたばかりだというのに、朝7時には完全に目が覚めていて着替えは済んでいた。朝陽が気持ち良かったのでこれは外で飲んだらさぞ気持ちが良かろうと履き慣れた靴で外へ。ジョギングではない。

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宿から坂を上がりマヨール広場で朝陽を浴びる。少し冷えた風と青空が気持ちが良い。幸先の良い天候。

 

マヨール広場から少し遠回りをしてsol駅の方へ足を伸ばす。朝8時からケーキを陳列している姿が可愛い。

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店内ではケーキやデニッシュとコーヒーを嗜む客で賑わう。

 

小腹を満たす為、チョコラテリア・サン・ヒネスへ向かう。1894年創業の老舗というだけでなく24時間営業とは、スイーツジャンキーもさぞお気に入りのことだろうと目を付けていた。マドリードの中心地、プエルタ・デル・ソルから徒歩5分。

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「チョコレート&チュロス」とオーダーして€4支払う。飲み物付きモーニングと考えれば手頃な値段だと満足した。

着席して数分後、私のもとにもチョコレートとチュロスがサーブされる。揚げ立てのチュロスホットチョコレートにディップして頬張る。

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程なくして隣席のご夫婦の元に、デカい麩菓子のようなものが運ばれ「節子ほんまにそれ食べるん」と言わんばかりの少し冷たい笑いと視線が集まる。
目が合った瞬間に「あげるよ」と勧めてくれるセニョール。「観光客同士仲良くしようじゃないか」という無言の圧力に「せやな」と答え、シェアしようとまたその隣のスイス人女性を私が丸め込む。右から左に受け流す形である。

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こいつが当の観光客の胃袋殺しである。油麩にしか見えない。ポラスという名前らしい。

私はこの店で初めて知るのだが、チュロスもチョコも甘くない。完全に拍子抜けしてしまった。不味いとかそういうことではなく、日本で知っている甘くギラギラと砂糖がまぶされたチュロスをイメージして食べるとギャップに驚くことと思う。個人的にはミスドやディズニーのような蟻さんが喜びそうなチュロスの方が好きではあるが、スペインに行ったら是非思い出作りに試してみて欲しい。本当に甘くない。
私は一本半でギブアップ。朝から揚げ物とはバカだった。許して欲しい

 運命共同体となった隣席のスイス人から25年前に横浜と富士山へ登った話や今は4週間スペイン語を勉強しに来ていることを聞いてほどなくお別れ。

 

店を後にしopera駅に向かって約4分ほど歩く。
ここで例のハムの博物館に遭遇。チェーン店だから至る所にある。
しばしショーウィンドウから生ハムと見つめ合う。

はぁ…癒やされる…

やはり塩気とビールの方が性に合っている。

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ハムテラピー

 

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改札にはだいたい案内係がいて行きたい駅を指差せば買うチケットをタッチパネルで案内してくれる。初心者は有難い。しかしヨーロッパの駅は大抵、日本の駅と違って隣駅がどちらで進行方向がどちらかとても分かりにくい。私は行くたびに案内係に「右側?左側?」と聞くかホームで人に尋ねている。

 

€1.5の乗車券を買って5駅、Marqués de Vadillo駅で下車。
紅葉と青空の広がる公園に犬とジョガーと鳩が視界の7割を占める。清々しい。

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さしずめ駒沢公園みたいな感じなのかな。
観光客も全然見当たらなくて、 ちょっと早起きした朝のお散歩にちょうどいいと思う。
お店が開くのもだいたい10時からだから。

 

そろそろお水が欲しい…
川沿いから街へ方向転換して自転車に乗っている地元の方っぽいおじさんにスーパーはどこかと尋ねる。「英語は喋れない」と人差し指と中指を交互に動かしては坂を指差しデラッチョデラッチョデラッチョと言う。

とにかく坂を登れば良いのだと合点し言われた通りにする。
デラッチョデラッチョデラッチョ…

 

目的地へ到着。ああ良い感じ。期待通りです。

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お太り様用だ…

入り口付近のハムのコーナーにのっけからノックアウト。安い!!!

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 持って帰って家に飾りたい。

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ウズラ肉が売っていてビックリした。そういえば『バベットの晩餐会』のフランス料理のフルコースでウズラ肉のパイが出てくるもんね。ヨーロッパに滞在中に食べておこうかな。

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レフ(ベルギービール)も安い。たまりませんな

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パッケージがいちいち可愛い。

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朝ごはん(仕切り直し)はこいつにしよう。何かの肉のパテとパプリカのクリームチーズを購入。安い。

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木陰のベンチで食べよう。

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塗り塗り。機内食で手をつけなかったクラッカーを鞄に忍ばせていたので、こいつにパテとクリームチーズをこんもり乗せる。

・・・んまーーーーーーい!!!
お値段的に正直期待してなかったけどほんとに美味い。
ビールもあるしね、うん、休日の朝ごはんはこうでなくっちゃ

 

川沿いへ戻り再びお散歩。良い天気〜

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川沿いにただ真っ直ぐ進むと宮殿に続く石橋に突き当たる。

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石橋を渡り宮殿を目指すと品のいい紅葉の道が続く。良い時期に来たみたい。

 

ロイヤルスポットは外観だけでOKだから軽く眺め、美味しい匂いのする方向へ。

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オシャレな道を通り抜け

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サンミゲル市場へ到着。

1つ€1でバカラオ(鱈)のピンチョスが楽しめるお店で注文。ここは美味しいしオススメ出来る。

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私が頼んだのは鱈のサルサソース乗せと鱈肝の燻製。最高に美味い
ハァつらい、美味しくてつらい。胃袋が4つ欲しい。それではあとは説明不要そうなので目でお楽しみ下さい。

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観光客にハムを貰いました。謝謝

 

お昼ご飯は老舗Botinと決めていたので、量が多いと忠告されていたが突入。なんせヘミングウェイの『日はまた昇る』の舞台にもなってるのだから。市場からはわずか3分。

美味しいものは絶対食べたい派なのでBotinさんには日本から事前にメールしてました。

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「俺に子豚を食わせろよ」と。

2階へと言われたのでとりあえず、そばに居たオーナーらしき人に水戸黄門よろしく東京から送ったメールを見せた。「こちらへどうぞ」とお一人様にも関わらず1階の3人席に通してくれた。言ってみるものだね。ありがとうゴンザレス
(トイレが2階にあったから客席を覗いてみたけど少し可愛らしい感じ。メールしておいて良かった。一人旅の方もそうでない方も、行く店が決まってるならこんなアタックも有効かもしれないので、ぜひ。)

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雰囲気も抜群

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こちらが2階席

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もちろん赤ワイン

子豚は6等分されたものが一人前としてサーブされる。

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んんん〜〜っっっなんだこれめっちゃ旨い。
皮は時間が経ってもパリパリと音を立ててナイフが沈む。
伝えるなれば北京ダックならぬ北京ピッグ。
身はしっとり柔らかく仕上がっていて、皮だけ揚げたかのように小気味の良い音が噛む程脳天に響く。
果物も野菜も皮と身の間に旨味が詰まってるとよく言うけれど、動物だって違わずだと言わざるを得ない。
この豚もパリパリの皮としっとりとした身の間に確かにゼラチン質のようなトロリとした旨味があって、皮をひっぱるととぅるんと付いてくる。それを一口で舐めるように舌に滑り込ませる。
当然皮目に塩気が多いから、口の中に塩気が残る。それを保ったまましっとりとした身肉を口に含み楽しむ。
皿に滴った肉汁をパンに浸して噛む。この三段階の味わい方がすっかり気に入ってしまった。
そして最後は肋骨に付いた残り肉と軟骨と骨の汁を吸って子豚の供養である。
上品な皿で出される実に野蛮な料理だと思う。

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 ゴンザレスの計らい?で厨房を覗かせて貰う。

ピザ窯みたいなやつで焼いてるんだね。マドリードにまた来たら食べたいな

 

Botinの向かいに個人の小さな商店がある。
バングラデシュの店主と彼のエストニアの友人が商いを営んでいる。ビールを買って棚卸しに着いて行ったり拙い単語で話してたら果物を色々ご馳走してくれた。嬉しい。世界には色んな人がいるなぁ

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夕方からはプラド美術館とティッセン=ポルミネッサ美術館をハシゴして当初の「美術館巡り」というオシャレっぽい目的を果たす。ただし2徹の身体にはかなり厳しく「上手だなぁ…」とか「教科書で見た!!!」という月並みな感想に留まる。

 

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この後はかなり疲れて眠くなり、映画館のある辺りを抜け何も知らずに中東系と黒人と花売りしかいない移民街へ。東洋人には一人も会わなかった。実際にマドリードに行く人がいたらオススメしないがディープな雰囲気はかなりある。物も安かったので乱雑に山積みされた地元の人用の日用品店でタオルを買ったりもした。24時間スーパーがあるから向かっただけで、私のように夜には行かない方がいい。

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 一本逸れると人気が全くない。

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24時間スーパーは西友みたいな感じ。

帰りはlavapies駅から帰ろうとしたが案内係に徒歩のが早いと言われ(泣)とぼとぼ来た道を帰る。

 

シャワーを浴びて簡単な自炊をし、白ワインで満たされたのでした。

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こんな時間に文字を打ってるのも、深夜2時に帰ってきた夜遊び帰りのギャル達の楽しげな声に起こされたからで、ハッと思い出して急いでまとめ終え、三日坊主にならなかったことを感謝している。

1時間後には空港行きのバスに乗り、ポルトガルの古都ポルトへ向かいます

 

<DAY1>成田空港〜マドリードのホステルへ

<DAY1>

成田空港 14:30発

ローマ 18:30着

ローマ 21:10発

マドリード 23:20着

 

イタリアで聖地巡礼するという団体様に囲まれた座席に座る。ちなみに後ろの席は神父でした。

マダム達にリモコンの使い方を教えたり使い捨てのマスクを差し上げたら私めにワインを頼んでくれたり、和菓子くれたりして、長時間のフライトだったけど和気藹々としてました。

(ちなみに私は長時間フライトは使い捨てのシートマスク持って行って顔に貼っつけて15分くらい上向いて寝ます。スケキヨ)

 

先ずは白ワインで水分補給。

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機内食はイタリアンか和食か選択可能。「和食!」と意気込むマダムに囲まれた甲斐あって何も言わずもがな、私にも炊き込みご飯がサーブされる。
付け合わせは煮物とお魚。味はまずまず。

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モレッティビールが嬉しい。
日本だと瓶の方が流通しているから缶は初めて見た。

 

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機内食の5時間後に配られたおにぎり。こちらも先程とよろしくおにぎりかサンドイッチが選べるが、意気込むマダムのお陰で(ry

おにぎりと白ワインは絶望的に合わない。賞味期限が書かれていないのが新鮮。

 

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最後の軽食はサラミ、鶏ハム、オリーブ、パン、クリームチーズ、クラッカー、アーモンドプードル味のクリームシフォンケーキ🍰

「私ハムとチーズが食べれないの」というマダムに「よく来ましたね」と思わず率直な感想を述べる。もうすっかりと気安い。

粗挽きの胡椒が効いたサラミが美味しくて、これにkiriのクリームチーズをくるんで頬張った。少し辛めのオリーブオイルやニンニクを漬け込んだオリーブオイルを振りかけたらもっとワインに合うだろうな。

 

機体が傾き始めた頃、ゴーストバスターズの超ハイテンションなBGMを聴いてる私の横で、敬虔な信者は手を合わせて着陸の無事をお祈りしていた。

マダムの祈りは通じ「30分も早く、そして安全に送り届けました」という機長の誇らしげなアナウンスが流れて、12時間のフライトは終了。

ベルトが外せないと泣きつくマダムのベルトを外す。「最後にお名前を」と尋ねられる。完全に勇者だ。

マダム、よい旅を

 

ローマからの乗り継ぎはどうすべきかよく分からないまま手荷物検査を終えると、免税店売り場が広がってるのでそちらへ移動。

可愛いスッチーのお姉ちゃんの手解きを受け、21:15分のフライトまで2時間程余裕があったので免税店や飲食店を散策。
日本だとビールはロング缶が売ってないのに、ほらねイタリアはちゃんと分かってる。
アモーレアモーレ

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素晴らしい品揃えで度数7.7%のストロングBEERもしっかり。

こういうところが好き。

 

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パニーニを撮ったのにそれ以上の存在感を放つ全身赤ジャージに革鞄の男…

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パニーニのお店や軽食店が数店並ぶレオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港。
だいたいがカサカサとした平たく大きなパンにトマトやチーズの水分がある具材を挟んで馴染ませてる。

 

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文房具屋さんに置いてあった分厚いSUSHIノート€2。表紙が色塗りできる仕様。お料理レシピ書き留めるのとか良さそう🍳

 

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こういう外国の可愛い缶を買って帰ってお裁縫箱にしたい✂︎

 

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ゲートが開いたので予め印刷しておいたチケットでゲートを通り、バスに乗って小さめの飛行機へ乗り継ぎ。

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同じアリタリア航空ですが、EU圏内の航空機の方が成田から12時間乗ったエコノミーのシートよりずっと広くて座り心地良いです。
他の方も言ってますが、頭の部分にに変な出っ張りがあってノートルダムの鐘状態になるところだった(取り外せない)。
成田からマドリードまで往復19800円だから文句は言えないか。

 

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機内食モレッティとサンドイッチ。手軽でちょうど良い感じ。やっぱりチーズが美味しいです。

 

23時過ぎに着陸し出国審査も何も無いままマドリードへ放たれる。ゆるゆる

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暫くバス乗り場で待ってるとシベーレス広場まで出ているEMTがやってくるので市内へ。
そんなに待たずしてやってくるAIRPORT EXPRESSと書かれた黄色いバスに乗り込んで市内まで。€5。35分程度とオフィシャルには書いてありますがビュンビュン飛ばします。

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バスの中からだからあまり写真が撮れなかったのだけど、街並みが本当に美しくて、それだけでテンションが上がる。

シベーレス広場で降ろされてsol駅に向かって500mほど歩いていると大人も子供もハロウィンで大盛り上がりしてる。
この時既に24時を回っていたけど、催し柄か女一人の夜歩きでも身の危険は感じなかった(というより余程のことが起きなければ危険を感じないタイプなんだけど…)

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若者だけでなく家族連れも多い

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途中ハムの博物館を覗いたらここも仮装した若者が酒を飲んで溜まっていた。

ショーンオブザデッドみたいでちょっと興奮。
マドリードで見た仮装は魔女やゾンビや骸骨だらけで、日本のハロウィンって独特なのねと改めて思った。

 

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 深夜1:30まで開いてるから、と老舗meson del champi(メゾンドシャンピニオン)に立ち寄り。

ガイドブックに必ず載ってるコレね。食べてみたかったんだよね。ガーリックが効いてて良い感じ。茸のジューシーさが溢れてくる。

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 もちろんビールもオーダー。付いてくるパンを茸の溢れ出た汁とガーリックオイルとビネガー?かな、少し酸味の効いたスープに浸して食べる。

 

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これ美味しかったな。じゃがいもとハムのコロッケなんたけど、素朴で素材の味が生きていてネットリしてるの。

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 モチッとな。

5個入りだったからハーフにしてって頼みました。メニューは全部写真入りだから疲れた脳味噌には大変助かった。

 

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おじちゃんの生演奏もキュートでよかったよ。深夜1時30分の閉店まで演奏してるみたい。働き者ね

ありがとうシャンピニオン

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マツシユルーム

 

宿まで3分の道すがら、開いてる商店めっけ。ハロウィンだからなのかな?

愛想も良くて良い感じ。

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酒難民回避

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350ml€1で買いました。mahou魔法のお水。
ビールが安い国は良い国だ。
熱いシャワーを浴びてサッパリして、このビールを飲みながら30分、今日の出来事をつらつらと纏めました。

忘れっぽいので、今回の旅は出来るだけその日のうちに、あったことだけバンバン書いていこうかな。


しばし眠って5時間後にはマドリードを散策する予定です。
おやすみ

 

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