<DAY2>マドリード一日観光

 11月1日、3時間前にブログを書き終えたばかりだというのに、朝7時には完全に目が覚めていて着替えは済んでいた。朝陽が気持ち良かったのでこれは外で飲んだらさぞ気持ちが良かろうと履き慣れた靴で外へ。ジョギングではない。

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宿から坂を上がりマヨール広場で朝陽を浴びる。少し冷えた風と青空が気持ちが良い。幸先の良い天候。

 

マヨール広場から少し遠回りをしてsol駅の方へ足を伸ばす。朝8時からケーキを陳列している姿が可愛い。

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店内ではケーキやデニッシュとコーヒーを嗜む客で賑わう。

 

小腹を満たす為、チョコラテリア・サン・ヒネスへ向かう。1894年創業の老舗というだけでなく24時間営業とは、スイーツジャンキーもさぞお気に入りのことだろうと目を付けていた。マドリードの中心地、プエルタ・デル・ソルから徒歩5分。

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「チョコレート&チュロス」とオーダーして€4支払う。飲み物付きモーニングと考えれば手頃な値段だと満足した。

着席して数分後、私のもとにもチョコレートとチュロスがサーブされる。揚げ立てのチュロスホットチョコレートにディップして頬張る。

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程なくして隣席のご夫婦の元に、デカい麩菓子のようなものが運ばれ「節子ほんまにそれ食べるん」と言わんばかりの少し冷たい笑いと視線が集まる。
目が合った瞬間に「あげるよ」と勧めてくれるセニョール。「観光客同士仲良くしようじゃないか」という無言の圧力に「せやな」と答え、シェアしようとまたその隣のスイス人女性を私が丸め込む。右から左に受け流す形である。

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こいつが当の観光客の胃袋殺しである。油麩にしか見えない。ポラスという名前らしい。

私はこの店で初めて知るのだが、チュロスもチョコも甘くない。完全に拍子抜けしてしまった。不味いとかそういうことではなく、日本で知っている甘くギラギラと砂糖がまぶされたチュロスをイメージして食べるとギャップに驚くことと思う。個人的にはミスドやディズニーのような蟻さんが喜びそうなチュロスの方が好きではあるが、スペインに行ったら是非思い出作りに試してみて欲しい。本当に甘くない。
私は一本半でギブアップ。朝から揚げ物とはバカだった。許して欲しい

 運命共同体となった隣席のスイス人から25年前に横浜と富士山へ登った話や今は4週間スペイン語を勉強しに来ていることを聞いてほどなくお別れ。

 

店を後にしopera駅に向かって約4分ほど歩く。
ここで例のハムの博物館に遭遇。チェーン店だから至る所にある。
しばしショーウィンドウから生ハムと見つめ合う。

はぁ…癒やされる…

やはり塩気とビールの方が性に合っている。

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ハムテラピー

 

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改札にはだいたい案内係がいて行きたい駅を指差せば買うチケットをタッチパネルで案内してくれる。初心者は有難い。しかしヨーロッパの駅は大抵、日本の駅と違って隣駅がどちらで進行方向がどちらかとても分かりにくい。私は行くたびに案内係に「右側?左側?」と聞くかホームで人に尋ねている。

 

€1.5の乗車券を買って5駅、Marqués de Vadillo駅で下車。
紅葉と青空の広がる公園に犬とジョガーと鳩が視界の7割を占める。清々しい。

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さしずめ駒沢公園みたいな感じなのかな。
観光客も全然見当たらなくて、 ちょっと早起きした朝のお散歩にちょうどいいと思う。
お店が開くのもだいたい10時からだから。

 

そろそろお水が欲しい…
川沿いから街へ方向転換して自転車に乗っている地元の方っぽいおじさんにスーパーはどこかと尋ねる。「英語は喋れない」と人差し指と中指を交互に動かしては坂を指差しデラッチョデラッチョデラッチョと言う。

とにかく坂を登れば良いのだと合点し言われた通りにする。
デラッチョデラッチョデラッチョ…

 

目的地へ到着。ああ良い感じ。期待通りです。

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お太り様用だ…

入り口付近のハムのコーナーにのっけからノックアウト。安い!!!

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 持って帰って家に飾りたい。

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ウズラ肉が売っていてビックリした。そういえば『バベットの晩餐会』のフランス料理のフルコースでウズラ肉のパイが出てくるもんね。ヨーロッパに滞在中に食べておこうかな。

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レフ(ベルギービール)も安い。たまりませんな

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パッケージがいちいち可愛い。

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朝ごはん(仕切り直し)はこいつにしよう。何かの肉のパテとパプリカのクリームチーズを購入。安い。

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木陰のベンチで食べよう。

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塗り塗り。機内食で手をつけなかったクラッカーを鞄に忍ばせていたので、こいつにパテとクリームチーズをこんもり乗せる。

・・・んまーーーーーーい!!!
お値段的に正直期待してなかったけどほんとに美味い。
ビールもあるしね、うん、休日の朝ごはんはこうでなくっちゃ

 

川沿いへ戻り再びお散歩。良い天気〜

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川沿いにただ真っ直ぐ進むと宮殿に続く石橋に突き当たる。

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石橋を渡り宮殿を目指すと品のいい紅葉の道が続く。良い時期に来たみたい。

 

ロイヤルスポットは外観だけでOKだから軽く眺め、美味しい匂いのする方向へ。

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オシャレな道を通り抜け

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サンミゲル市場へ到着。

1つ€1でバカラオ(鱈)のピンチョスが楽しめるお店で注文。ここは美味しいしオススメ出来る。

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私が頼んだのは鱈のサルサソース乗せと鱈肝の燻製。最高に美味い
ハァつらい、美味しくてつらい。胃袋が4つ欲しい。それではあとは説明不要そうなので目でお楽しみ下さい。

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観光客にハムを貰いました。謝謝

 

お昼ご飯は老舗Botinと決めていたので、量が多いと忠告されていたが突入。なんせヘミングウェイの『日はまた昇る』の舞台にもなってるのだから。市場からはわずか3分。

美味しいものは絶対食べたい派なのでBotinさんには日本から事前にメールしてました。

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「俺に子豚を食わせろよ」と。

2階へと言われたのでとりあえず、そばに居たオーナーらしき人に水戸黄門よろしく東京から送ったメールを見せた。「こちらへどうぞ」とお一人様にも関わらず1階の3人席に通してくれた。言ってみるものだね。ありがとうゴンザレス
(トイレが2階にあったから客席を覗いてみたけど少し可愛らしい感じ。メールしておいて良かった。一人旅の方もそうでない方も、行く店が決まってるならこんなアタックも有効かもしれないので、ぜひ。)

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雰囲気も抜群

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こちらが2階席

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もちろん赤ワイン

子豚は6等分されたものが一人前としてサーブされる。

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んんん〜〜っっっなんだこれめっちゃ旨い。
皮は時間が経ってもパリパリと音を立ててナイフが沈む。
伝えるなれば北京ダックならぬ北京ピッグ。
身はしっとり柔らかく仕上がっていて、皮だけ揚げたかのように小気味の良い音が噛む程脳天に響く。
果物も野菜も皮と身の間に旨味が詰まってるとよく言うけれど、動物だって違わずだと言わざるを得ない。
この豚もパリパリの皮としっとりとした身の間に確かにゼラチン質のようなトロリとした旨味があって、皮をひっぱるととぅるんと付いてくる。それを一口で舐めるように舌に滑り込ませる。
当然皮目に塩気が多いから、口の中に塩気が残る。それを保ったまましっとりとした身肉を口に含み楽しむ。
皿に滴った肉汁をパンに浸して噛む。この三段階の味わい方がすっかり気に入ってしまった。
そして最後は肋骨に付いた残り肉と軟骨と骨の汁を吸って子豚の供養である。
上品な皿で出される実に野蛮な料理だと思う。

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 ゴンザレスの計らい?で厨房を覗かせて貰う。

ピザ窯みたいなやつで焼いてるんだね。マドリードにまた来たら食べたいな

 

Botinの向かいに個人の小さな商店がある。
バングラデシュの店主と彼のエストニアの友人が商いを営んでいる。ビールを買って棚卸しに着いて行ったり拙い単語で話してたら果物を色々ご馳走してくれた。嬉しい。世界には色んな人がいるなぁ

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夕方からはプラド美術館とティッセン=ポルミネッサ美術館をハシゴして当初の「美術館巡り」というオシャレっぽい目的を果たす。ただし2徹の身体にはかなり厳しく「上手だなぁ…」とか「教科書で見た!!!」という月並みな感想に留まる。

 

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この後はかなり疲れて眠くなり、映画館のある辺りを抜け何も知らずに中東系と黒人と花売りしかいない移民街へ。東洋人には一人も会わなかった。実際にマドリードに行く人がいたらオススメしないがディープな雰囲気はかなりある。物も安かったので乱雑に山積みされた地元の人用の日用品店でタオルを買ったりもした。24時間スーパーがあるから向かっただけで、私のように夜には行かない方がいい。

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 一本逸れると人気が全くない。

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24時間スーパーは西友みたいな感じ。

帰りはlavapies駅から帰ろうとしたが案内係に徒歩のが早いと言われ(泣)とぼとぼ来た道を帰る。

 

シャワーを浴びて簡単な自炊をし、白ワインで満たされたのでした。

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こんな時間に文字を打ってるのも、深夜2時に帰ってきた夜遊び帰りのギャル達の楽しげな声に起こされたからで、ハッと思い出して急いでまとめ終え、三日坊主にならなかったことを感謝している。

1時間後には空港行きのバスに乗り、ポルトガルの古都ポルトへ向かいます

 

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